------------------------------------------------------------------------------- 【   曲名   】 二人のVIVIT -for herselves- 【 作者名 】 神依レラ(かむい れら) 【   原曲   】 ハーセルブズ、幻想機械、少女神性(秋霜玉) 【 初お目見え 】 04/07/23 【 バージョン 】 1.00.3+ (04/07/22) 【midiシーケンサ】 音楽ツクール95+ 【 音源 】 YAMAHA S-YG20 Ver3.0 (XG規格) 【 故郷 】 http://yuki.kitune.info/ 「upas cironnup -ゆききつね-」 【 動作 】 「幻想が見える程度の能力」推奨。あとはmp3が聞ける環境。 【 補足トリビア 】 原作のVIVITとイメージが違う気がするけど、気のせい。 【 独り言 】 ノイズ退治に気合を入れてみる。           マイク:Killer Noise。 midi:CD-R All Write+Mレコ。           やっぱり、何かノイズが乗ってる……_| ̄|○           midi版は、音化けするパートとかをカットで少しは聴きやすく。           まあ、怨霊(音量)がすごいことになってるけど。 -------------------------------------------------------------------------------  世界が、こんなにも痛みを抱えているなんて。  この異空間に閉じ込められるまで、ぜんぜん知らなかった。  私はVIVITと呼ばれていたモノ。  誰もいないこの世界では、名前なんて無意味だけど。  ここにあるのは、絶望だけ。  目を閉じても。耳を塞いでも。  私のところまで、届いてくる。  痛いよ、苦しいよ。  そんな、悲痛な叫びが。  ……凍りついた翼は、もう羽ばたけない。  風焉(お)わる、この最果てで  永劫回帰する、絶望たち  ひとみ閉じて、聞きつづける  ずっと ずっと ずっと ずっと  その時、時空を越えて  舞い下る、一人の少女  私と同じ姿をしていた  ――――あなたは、誰? 「わたしはVIVIT。あなたを助け出しにきました」  ――――助けに? 「ご主人様は、ずっと待っていました。あなたが帰ってくるのを」  ――――帰ることは……できない。 「どうして?」  ――――私には、朝は決して訪れないから。 「………どういうこと?」  ――――ほら、あなたにも見えるでしょ。  天地に満ち満ちている  無尽蔵の暗黒たち  黎明待てど待てども、至らず  ――――これからも、ずっと夜は明けることはない。 「明けないのなら、自分が太陽になればいいんです」  ――――そんな力、私にはない。 「希望を捨てない限り、必ず道は開きます」  ――――あなたにもすぐに分かるはず。希望はただの幻だという事に。 「……わかりました。力ずくでも、この暗黒の海から引き上げてみせます!」  少女は私の手を掴み、大空へと羽ばたく。  彼女の機械仕掛けの翼は、たくさんの風を受け止め、気持ちよさそうに揺れていた。 「見えますか? 星たちの輝きが。  感じますか? 希望を運ぶ風を。  飛び方を忘れたのなら、わたしが教えてあげます。  だから、もう一度、羽ばたいてみてください」  もう一人の私の手が、とても暖かかった。  星が綺麗だった。風が気持ちよかった。  希望というものを、少しだけ信じてみようと思った。  凍てついた翼を、久しぶりに広げてみた日のこと。  傷だらけの、この翼を広げ  希望と絶望を翔ける  生きるとは痛みを感じること  悲しみが翼を傷つけ  生きるとは苦しみ覚えること  虚しさで翼が黒ずむ  それでも私は、空へ羽ばたこう  幸せを掴む、そのために  それでも私は、空へ羽ばたこう  小さな勇気を、この胸に  だから私は、空へ羽ばたこう  輝ける希望を、この背に  ――――ただいま。