例えば、壊れた心:最果ての卵 // upas cironnup -ゆききつね-

upas cironnup -ゆききつね-

ショートカットメニュー

ゆききつねいのち最果ての卵 > 34. 壊れた心

例えば、壊れた心

これから始まるは、たとえばのお話。





生まれたときから、ずっとずっと。
少年はドレイでした。
ご主人様は親。
そんな「普通」の暮らしでした。

ある日、ご主人様は動かなくなりました。
どんなに揺さぶっても、ぴくりとも動きません。
少年は理解しました。
この瞬間から、自分がご主人様になったのだ、と。

少年は1人の少女をさらい、ドレイにしました。
首輪は忠誠の証。
足かせは服従の証。
傷は絶対の証。

逃げ出そうとする少女に、暴力を。
罰には空腹。
肉から血の一滴まで犯しました。
しばらくして、少女は壊れてしまいました。

少年は、もう1人少女をさらい、ドレイにしました。
今度は壊れてしまわないように。
強そうな少女を選びました。
それぞれの証を刻んでいきます。

逃げ出そうとする少女に、静かな暴力を。
罰には、少しの空腹を。
肉から血の一滴まで、やさしく犯しました。
しばらくして、少女は壊れてしまいました。

少年は不思議に思います。
どうして、みんな壊れてしまうのだろう。
こんなにやさしくしているのに。
何がいけないんだろう。

少年をたくさんの男たちが囲み、連れ去りました。
審判の結果、少年は処刑台へ送られました。
どうして僕はこんなところに連れられるんだろうか。
心の壊れた少年は、体が壊される寸前に思いました。





――――たとえばのお話、おしまい。