再誕詩 [Hi Ka Ri A Re]:SS // upas cironnup -ゆききつね-

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再誕詩 [Hi Ka Ri A Re]闇の中の光。

 [chat_20030406.log]
たくじ > はあ…
みゃお > 元気だすの!
たくじ > 俺のサッカー人生はもう終わりだ…
美男子 > おまえの人生は、骨折程度で終わるのか?
たくじ > あーあ死にてぇ

 [未知世界への道標]
みゃお > 夕焼けさんに相談するの!
たくじ > ?
美男子 > そりゃ、いいかもな
美男子 > あの人と話していれば元気が出るぞ
たくじ > …そうなのか?

 [邂逅]
美男子 > 噂をすればなんとやら、だな
夕焼け > こんばんは。
夕焼け > 私のこと、探してたの?
美男子 > こいつに景気を、つけてやってくれない?
みゃお > お願いなの!

 [挫折のための一つの理由]
夕焼け > 大会の直前に足の骨を?
たくじ > そうなんだ。今までの努力は何だったんだ…
夕焼け > 大会、次もあるんだよね?
夕焼け > 今は、我慢の一手ってやつだよ。
夕焼け > ベンチからしか学べないこと、あるかもしれないしね。

 [心の眼が強さを見抜く]
夕焼け > 君なら大丈夫だよ。
たくじ > うーん…
夕焼け > 私は人を見る目はあると思ってるよ。
夕焼け > 目は見えないんだけどね。
たくじ > ?





 [悠久世界]
今日も、小学校が終わって。
急いで家に帰って。
そのまま、大好きな高校へ。
私の遊び場へ。
いつもと同じように。

 [得意]
かくれんぼ。
お兄ちゃんやお姉ちゃん達と。
沢山の本がある場所。
ここは誰も知らない隠れ場所。
今日も私の勝ちだね。

 [瞬間]
一瞬だった。
事故に遭うときはスローモーションになるって聞くけど。
あれは嘘だね。
沢山の本が私に落ちてくる。
ほんの一瞬だった。


 [体験]
目を覚ましたら、そこは家。
少し、気を失ってたんだって。
ちょっと、どきどきしてる。
気を失うなんて。
初めてのことだから。

 [忍び寄るは深き闇]
気が付いたのは、その一週間後。
なんだか世界が狭くなった感じ。
お母さんに話したら、すぐに病院に連れて行かれる。
そんなに慌てなくても。
私は大丈夫なのに。

 [白い時間]
真っ白の部屋。
真っ白の布団。
真っ白に囲まれている。
退屈。
でも、なんだかキレイ。

 [監獄]
大きな機械。
変な匂い。
たくさんの苦い薬。
お医者さんは、私に酷いことをする。
とどめに、明日までずっと病院に閉じ込められた。



 [~暗黒は…]
少しずつ。
狭くなっていく。
世界が。
だんだんと。
狭くなっていく。

 […やがて…]
その日は。
朝から。
夜だった。
真っ暗の夜明け。
…変なの。

 […少女を…]
闇。
やみ。
ヤミ。
YAMI。
…こわい。

 […絶望へ…]
あ。
闇が迫ってくる。
世界が黒くなっていく。
あれ?
…。

 […導く。]
…。
あ。
わあああああああああああああ。
ああああああああああ。
どれだけ叫んでも、光は見えない。


 [夢魔]
何かの夢を見た気がする。
怖かったような。
辛かったような。
痛かったような。
とても、哀しかったような。

 [白昼月]
目隠しをされていた。
どっちにしても前は見えないんだけど。
病気だって。
すぐに治るんだって。
だから、安心だって。

 [時という概念]
時間は、どんどん流れていく。
空には、雲が流れているのかな?
何も見えない。
何も見えないから、怖い。
怖いから、何も見れない。



 [知っているけど、知らない場所]
久しぶりの家。
目隠しを取っても。
やっぱり何も見えない。
何も見えない。
なんにも見えない。

 [予言]
お医者さんも。
お母さんも。
お父さんも。
すぐに、よくなるって言うけど。
ウソ? ホント?

 [思考の環]
ゆ…ゆうやけ。
け…けしごむ。
む…むかし。
し…しょうゆ。
ゆ…ゆうやけ。

 [安全装置]
分からない。
全然分からない。
まったく分からない。
そういう時は。
寝るのが一番かな。


 [黒い時間]
いつまで経っても。
ずっと夜のまま。
夜明けは。
いったい。
いつ?

 [伏魔殿]
闇の中を突き進む。
足に何かがぶつかる。
肩に何かがぶつかる。
頭に何かがぶつかる。
光は何処にあるのだろう。

 [……]
……わ。
わああああ。
あアあああああああアああAああ。
あAああ阿あアあ亜あああAあアあAああ亜あ阿ああ!?
あ阿あアあAああ亜あアあAあ亜ああアあ亜あAああアああ阿あ亞あAあぁH……

 [天秤]
死にたくない!
苦しい!
死にたくなぃ。
哀しぃ。
死にた。

 [罰と罪]
毎日、毎日。
小学生が高校に遊びに行ったから。
罰なのかな。
もう、遊びに行けないように。
そうなのかもしれない。



 [楽園へ]
こっそり家を抜け出す。
家のすぐ前の高校を目指して。
真っ暗でも。
毎日遊びに行ってるから。
だから平気。

 [柩の蓋]
長い階段。
その一番上。
重たくて、冷たくて、大きな扉。
その向こうにあるはずの。
夕焼け。

 [天まで伸びる壁]
どれだけ待っても。
夕焼けは黒いまま。
もっと先にあるのかな。
…でも。
柵が邪魔で向こうに行けないよ。

 [憧れの世界へ続く道]
よじ登る。
よじ登る。
きっとこの向こうに。
私が望んでいる。
世界があるはずだから。

 [えいえんのせかい]
登りきれない。
夕焼けのある世界には行けない。
どうしても行けない。
やっぱり行けない。
二度と行けない。

 [番人]
どうして。
どうして、私を止めるの。
向こうの世界に私を行かせて。
こっちの世界は真っ暗で冷たくて真っ暗で。
何も分からない。

 [終わる世界]
くるしい。
るしい。
しい。
い。
。



 [日常の帰還]
友達からの電話。
そういえば。
しばらく小学校に行ってなかったから。
そういえば。
忘れていたよ。

 [水差し]
もしもし。
うん。
そうだね。
うん。
だよね。

 [呼吸]
実はね。
うん。
うん。
そう。
うー。

 [光合成]
うん。
そうかなぁ。
んー。
うん。
じゃあ、また明日。

 [現実と夢]
いつも見ていたドラマ。
いつの間にか終わっていたらしい。
つまらない最終回。
私の予想の方が良かったんだって。
私の考えたドラマの方が。

 [忘却という名の赦し]
…あれ?
さっきまで苦しかったような。
とても苦しかったような。
なんだっけ?
忘れちゃった。

 [安らぎの大地]
なんだか心地いい眠気。
眠ることは、本当は気持ちいいこと。
でも、なんだか久しぶり。
そういうことで。
おやすみなさい。



 [現実へ]
こっそり家を抜け出す。
家のすぐ前の高校を目指して。
いつものように。
まっすぐに。
見えない道を。

 [宝箱の蓋]
長い階段。
その一番上。
とっても大きくて重たい扉。
その向こうで。
私を待ってくれているはず。

 [憧れた世界へ続く道]
やっぱり何も見えないけど。
きっとあるはず。
真っ赤な夕焼けが。
だから。
明日も天気だね。

 [創世記]
感じる。
ここにあるもの全部を。
闇の中に。
たしかに、しっかりと。
存在しているものたち。


 [天地創造1]
ここは、世界。
私がいる場所。

 [天地創造2]
これは、空。
青くて、赤くて、黒い。

 [天地創造3]
これは、地面。
私が立っているところ。

 [天地創造4]
これは、夕焼け。
空を真っ赤にする、私の好きなもの。

 [天地創造5]
これは、鳥。
私は地面を、鳥は空を。

 [天地創造6]
これは、私。
人間で、好物はカレー。

 [天地創造7]
分かる。
確かに存在する。
存在を感じる。
世界はここにあるんだ。
世界は私が創れるんだ!


 [滅びた世界は、再び誕生した]
…。
…。
…。
とりあえず。
もう少し、頑張ってみよう。





 [絶望と希望 ~ こうしてヒトは生きていく]
夕焼け > 最近のパソコンは、私が喋った通りに文字を打ってくれるし。
夕焼け > 返事も読んでくれる。
夕焼け > だから、私でもこうやってチャットが出来るんだよ。
夕焼け > いろいろと、便利になったよね。
夕焼け > いい世界だよね。

 [カミサマ]
たくじ > その…
たくじ > すごいんですね
夕焼け > 何が?
たくじ > んー、なんて言うか
たくじ > 全部

 [旅立つ者に祝福あれ]
たくじ > …もう少し頑張ってみます
夕焼け > うん。
たくじ > 俺も頑張らないと
たくじ > そんな気がする
夕焼け > うん。よかったね。

 [-World Can Be REBORN- Fade Out...]
たくじ > 少し元気が出ました
たくじ > では、そろそろ落ちます
美男子 > また。
みゃお > また会うの!
夕焼け > ばいばい。


(たくじさんが退室されました。)