例えば、華:最果ての卵 // upas cironnup -ゆききつね-

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ゆききつねいのち最果ての卵 > 18. 華

例えば、華

これから始まるは、たとえばのお話。





とある、冬のことです。
少女は破滅を迎えようとしていました。

せめて崩壊する前に、桜を見たいと思っています。
しかし、体はもちそうにありません。

雪を被った桜の木に寄り添います。
そのまま、動けなくなりました。


時は流れ。
草木が目を覚ます時。

少女は知りました。
土の中からでは、桜を見ることができないことに。





――――たとえばのお話、おしまい。