例えば、誘拐:最果ての卵 // upas cironnup -ゆききつね-

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ゆききつねいのち最果ての卵 > 31. 誘拐

例えば、誘拐

これから始まるは、たとえばのお話。





少年の元に、知らせが入ります。
―――本当の親が、外国で待っている。
「本当」って、何?

たくさんの人間達に囲まれます。
―――キミは過去に誘拐され、偽者の親と暮らしているんだ。
この外国人たちは何なんだろうか?

今住んでいる国を離れ、「本当の親」がいる国に行くことになりました。
しぶしぶ、身支度をします。
顔も知らない人間が待っているって?

すてきな友達ができました。
人並みに、甘酸っぱい恋もしました。
彼らとは、もう会えないのだろうか?

「本当の親」が現れました。
オレが父親だ。私がお母さんよ。
お前たち、誰だ?

見知らぬ国で、見知らぬ人間と共に暮らし始めます。
外国語でいろいろ話し掛けられます。
何を言っているんだ?


誰か助けてくれ。
誰か助けてくれ。
今までの生活を返してくれ。


ある日、少年は天井からぶら下がった状態で発見されました。
魂は「故郷」へ戻り、安らかな生活が戻りました。
体がなくなったけど、大した問題じゃないさ。





――――たとえばのお話、おしまい。