これから始まるは、たとえばのお話。 生まれたときから、ずっとずっと。 少年はドレイでした。 ご主人様は親。 そんな「普通」の暮らしでした。 ある日、ご主人様は動かなくなりました。 どんなに揺さぶっても、ぴくりとも動きません。 少年は理解しました。 この瞬間から、自分がご主人様になったのだ、と。 少年は1人の少女をさらい、ドレイにしました。 首輪は忠誠の証。 足かせは服従の証。 傷は絶対の証。 逃げ出そうとする少女に、暴力を。 罰には空腹。 肉から血の一滴まで犯しました。 しばらくして、少女は壊れてしまいました。 少年は、もう1人少女をさらい、ドレイにしました。 今度は壊れてしまわないように。 強そうな少女を選びました。 それぞれの証を刻んでいきます。 逃げ出そうとする少女に、静かな暴力を。 罰には、少しの空腹を。 肉から血の一滴まで、やさしく犯しました。 しばらくして、少女は壊れてしまいました。 少年は不思議に思います。 どうして、みんな壊れてしまうのだろう。 こんなにやさしくしているのに。 何がいけないんだろう。 少年をたくさんの男たちが囲み、連れ去りました。 審判の結果、少年は処刑台へ送られました。 どうして僕はこんなところに連れられるんだろうか。 心の壊れた少年は、体が壊される寸前に思いました。 ――――たとえばのお話、おしまい。